千葉 尋 / Hiro Chiba



【 プロフィール 】
2014年 東京造形大学大学院 造形研究科 修士課程 修了
2022年 技法に関する特許取得(特許第7010568号)
千葉尋は自身で研究開発した、葉に図像を焼き付ける技法、クロログラフ(造語)を軸に、「懐古感情」の普遍可能な表現を追求している。美術大学の修士課程を主席で修了後、政府機関での海外ボランティア活動に2年間従事、2017年より作家活動を開始する。2022年技法に関する特許を取得。
Art Brutの作家に似たアウトサイドの制作観と、彼らを見出し作家に仕立てるインサイドの視点が千葉の内では明確に分かれている。自らの遊びから生まれる作品を可能な限り客体として鑑賞し、言語化を試みる。
【 ステートメント 】
恐竜の存在が認知される1825年以前、中国では恐竜の骨を竜の骨だと信じていたという。科学が未発達な状態でクロログラフを見たなら、同じように、空想混じりの想像をするのではないかと考えた。
「古い記憶を見ているようだ」と、初めて実験を成功させたときに思った。その印象から、葉に映るのは、誰かの記憶だと仮定する。"memory tree"という存在を仮定すると、より確からしくなった。誰の記憶でどこから来たのか。物理的な制約も取り払って考えると、ある仮想世界が想定できそうだった。
そこでは、生物が体の中/外に"memory tree"を育てている。それはあらゆる種類の葉が生える複合植物である。覚えていることが多ければ葉が茂り、忘れると落葉する。それだから、その世界の地面は落ち葉で覆われている。それを保存した標本がクロログラフで、記憶の持ち主はもうわからない。あるいはX-線写真のように、レイヤーを変えればこちらでも"memory tree"が見えるのかもしれない。想像の先にある植物を"memory tree" とし、実制作との相互的な創造を繰り返している。
Selected Exhibition
2021年 The 16th TAGBOAT AWARD
/ 渋谷ヒカリエ / 渋谷
2021年 SICF22/ SPIRAL / 青山
2021年 100人10 / Shinwa Auction / 銀座
2022年 個展 / Gallery 201 / 北品川
Awards
2020年 金賞 / 第2回TKO国際ミニプリント展 2020
/東京芸術劇場 / 池袋
2020年 求龍堂賞 / 第9回 FEI PRINT AWARD
/FEI ART MUSEUM YOKOHAMA / 横浜
2021年 IAG奨励賞、シアターアートショップ賞
/IAG awards / 東京芸術劇場 / 池袋
2021年 小林貴 賞 / TAGBOAT INDEPENDENT
/東京ポートシティ竹芝 / 浜松町
2022年 井浦歳和 賞 / TAGBOAT INDEPENDENT
/東京ポートシティ竹芝 / 浜松町
2022年 オーディエンス賞 / KENZAN 2022
/東京芸術劇場 / 池袋
近年は美術番組「ブレイク前夜」への出演や、東京藝術大学での技法に関する講演、沖縄県、宮崎県での滞在制作など、活動の場を広げている。