
「unseen」 千葉瑞希 個展
8.25(火)ー8.31(日)
12:00-19:00 (Last day -17:00)
千葉瑞希さんは、日本画の技法の一つである「箔焼き技法」を用いて制作を行っています。
和紙を貼り重ねたパネルに銀箔を施し、その上から硫黄を含ませた和紙を重ねて熱を加えることで、
腐食反応による偶発的な模様を生み出しています。
秩序だった画面構成というルールの中で不確定な変化として現れる箔の表情。
その偶然性と必然性の交錯を是非、ご高覧いただけましたら幸いです。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

「perception」木製パネル、和紙、銀箔、硫黄液,H150×W300mm,2025年
今回の展示では、「ドット」というモチーフを取り上げています。
近くで見ると、大小さまざまな点の集積として捉えられますが、距離をとって見ることで、あるイメージが浮かび上がってくるかもしれません。
これまでは、焼箔による偶然的な模様と、それを連続的に配置することによる秩序との対比をテーマに作品を制作してきました。
今回は新たな試みとして、写真を粗めにハーフトーン化し、その点の構成に沿って箔を貼ることで、従来のテーマから派生し、より絵画的な表現へと展開しています。
焼箔によって生まれる模様や色の微細な違いを、じっくりと間近で観ていただきたいという思いから、10cm×10cmの小さな作品を制作しました。
それぞれの作品は、16×16のマスの中に、箔のドットをランダムに配置する構成になっています。
今回の展示では、異なる表情をもつ10点をシリーズとして発表しています。
ぜひ作品に近づいて、細部の変化や質感をご鑑賞ください。
「In Dots」木製パネル、和紙、銀箔、硫黄液,H100×W100mm、2025年

千葉瑞希 / Mizuki Chiba
【プロフィール】
山梨県出身、神奈川県在住
筑波大学芸術専門学群卒
【グループ展】
2020年 SICF21(スパイラル)
2025年 healie2505(between gallary)
【ステイトメント】
箔焼き技法は日本画の技法のひとつで、銀箔に硫黄を反応させることで、変色や模様を生み出す技術です。
私は大学在学中からこの技法を制作の主軸として取り入れてきました。
本展は、私にとって初めての個展となります。
これまでの作品では、焼箔による偶然性と、構成上の規則性との対比をテーマとしてきました。今回はそのアプローチを踏襲しつつ、そのルールの中でどこまで表現の幅を広げられるかということに挑戦しています。
特に今回は「ドット」にフォーカスを当て、モチーフとして扱っています。
ドットの持つポップさと、箔という古来の素材がもつ伝統的な質感の対比が、作品の新たな魅力として伝われば幸いです。