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Aaro Murphy "Reconstructions"

2025.11.4(火)ー11.16(日)

​*月曜休廊

​​​

​13:00-19:00(最終日~17:00)

皆様のお越しをお待ちしております。

*会期中の11月10日には、フィンランド文化センター(東京)にてアーティストトークが開催され ます。

是非、この機会に個展とともにお楽しみ下さい。

アーティストトークでは、マーフィーは本プロジェクトの発展を振り返り、科学的・植物学的パートナーとの協働について洞察を語ります。

この度、アーロ・マーフィーによる個展『リコンストラクションズ』を開催致します。アーロ・マーフィーは彫刻・映像・香りを横断しな がら、記憶・アロマ・新たに登場する嗅覚テクノロジーの交差点を探ります。 本展の中心となるのは新作彫刻 Prototype for Listening です。ガラスで構成されたこの作品は、 温室のインフラ構造や下垂する蘭の繊細な姿勢から着想を得ており、天井から吊り下げられた ガラス容器とチューブのネットワークによって、花の香りをギャラリー空間に柔らかく拡散させます。その透明なガラス器と管の構造は、蒸留や香りの再構成のプロセスを想起させ、蘭の儚さと 香料産業における分子再構築の工業的手法とを重ね合わせます。

この彫刻と並んで展示されるのが映像作品 Phantom Bloom です。本作は、消えゆく芳香的な 風景を架空の「電子鼻」の視点から描き出します。「電子鼻」は、言語モデルと分析機器を融合さ せた想像上の存在として設定され、声優によって演じられます。ナレーションは分子レベルの精緻さと詩的な抽象性のあいだを行き来し、観客に人間と機械システムの交錯を通じて、香りがどのように保存され、また翻訳され、記憶されうるのかを問いかけます。

本プロジェクトは、マーフィーが2022年のレジデンス滞在中に始動させたものです。彼は高砂香料工業とのコラボレーションを開始し、ヘッドスペース法による香気採取を用いて、つくば植物園で絶滅危惧種の蘭の香りを収集しました。その生データをもとに再構築されたアロマは、蘭の痕跡として提示されます。会場に漂う香りは「根(Root)」と「花(Bloom)」に分けられ、香り採取にお ける根本的な緊張関係――すなわち、どの香りも孤立して存在するのではなく、土壌や落ち葉の 腐朽、日中の熱、季節などの要素に常に形づくられる――を浮かび上がらせます。

本展は東京での初公開となり、香りを記憶であり物質でもあるものとして捉えるマーフィーの探究を集約し、「匂いを聴く」ための嗅覚的アーカイブや装置を提案致します。今年初頭、大阪・万博北欧館での発表に続き、ギャラリー・ダルストンでの展示では、この進化し続ける作品群をより親密な形で体験する機会となります。この機会に是非ご高覧下さい。


 

*本展の実現にあたり、下記の方々からご支援・ご協力をいただきました

 

Olga and Vilho Linnamo Foundation , Kone Foundation

アロマ採取: 高砂香料工業株式会社

香りの構成: In’n’out Fragrances

特別協力: フィンランド文化センター(東京)、菅原俊二、トーキョーアーツアンドスペース

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photo: Aaro Murphy

【アーロ・マーフィー プロフィール】

 

1991年  フィンランド・ユヴァスキュラ生まれ

     アムステルダム・サンドベルク・インスティテュート修士課程修了

 

《レジデンス》

2025年   Dogo Residenz für Neue Kunst(リヒテンシュタイグ、スイス)

2024年   トーキョーアーツアンドスペース(東京、日本)

2023年   サンドベルク・インスティテュート リサーチフェロー(アムステルダム、オランダ)

2022年    Tokyo Arts and Science Research Residency(東京、日本)

 

《展覧会》

2026年    個展、Forum Box(ヘルシンキ、フィンランド)予定

2025年    Reconstructions、Dalston Gallery(東京、日本)

2025年    Phantom Bloom、北欧館(大阪、日本)

2024年    Fickle (Gritty) Memory、SOLU Space(ヘルシンキ、フィンランド)

2023年    Volatile Score、Kunsthalle Turku(トゥルク、フィンランド)

2021年    Running Idle、Art Rotterdam(ロッテルダム、オランダ)

2020年    Occulting disk、Industra(ブルノ、チェコ)

2019年    Semantic Noise、De School(アムステルダム、オランダ)

透明なチューブが空気をガラスの中に送り込む。ガラスの容器のいくつかに香りが入っており、空気がその香りをやさしく空間に拡散させる。

 all photo by Aaro Murphy

Gallery Dalston

〒130-0023 東京都墨田区立川1-11-2

Tel :080‐6108‐9556 (久保)

​gallerydalston.jpn@gmail.com

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